抗がん剤治療をやめるという選択

かすみ草
この記事は約8分で読めます。

twitterに現を抜かしていたのは間違いないのですが、記事が全く書けなかったのでブログ運営がストップしていました…

書きたいネタは山ほどあってメモっているのに全く書けない

これは、その、やはり「精神的なもの?」と我に返り、やはり「書いて気持ちを出し切らないといけないのかな?」と思ったので書きます

母ががん告知をされ、1年2ヶ月ほどが経過

抗がん剤治療をやめる=がんと共存していく

と決めて、つい先日、主治医の先生に伝えました

終わりではないですが、ひとつの区切りがつきました
※とても長い取り留めのないブログになっていますので必要なところだけ読んで下さい

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2017年7月 がん告知

芝生の上の家の形をした積み木

はっきり覚えています。その日は下の子とAEONに買い物に出かけていました。病院に検査に行っていた母を迎えに行こうとした時、スマホが鳴りました

病院の看護士さんからでした

“本人に知られないように、ご家族に伝えたい事があるのですぐに来てほしい”

「これって‥‥あれ、だよね?」
「あれだな…」

って会話を下の子とAEONの駐車場でした記憶があります

 

結局、伝えられたのは

肝臓にまで転移している大腸(直腸)がん ステージⅣ

手術をしないと余命半年

もう驚きでした

確かに疲れるとか言ってたけど73歳だから当たり前かと思ってたし、痔になったと言って病院に通ってたのは聞いていたけど

がんだったとは…

あとでわかった事ですが、大腸がんによる出血を痔と思い込む人も多いそうで、血便の場合はすぐに検査は受けるべきなんだそうです

また痛みに強い人だったので、相当ひどくなってから受診したのだと思います

しかも、わたしには「がん検診受けときなさいよ!」
と結構しつこく注意するから、受けてるものと思い込んでいたら

「何にも受けてなかった」

という驚きの答え

よく検査、検査と言ってたのは、血圧の薬を出すための血液検査だけだったらしい…

即、入院したのが2017年7月28日でした

2017年8月 大腸(直腸)がん手術

手術前の説明で、腹腔鏡手術で行うこと、がんを取り除く時に人工肛門になるかもとの説明を受けました

そのことをすごく嫌がっていました「人工肛門だけは嫌だ」と手術自体を嫌がる発言も…でも、そんなこと言ってられません

様々な検査を受けて体調を整え、手術をしたのは8月9日

朝9時に始まって予想をはるかに上回る夕方16時くらいまでかかりました。人工肛門をつけなくていいようギリギリの処置をして下さったそうです

術後、取り除いたモノを見せてもらいましたが、がんはとても大きかった…

腸のがんがなくなったこともですが「人工肛門をつけなくて良かったこと」手術後、そのことをとても喜んでいました

術後の経過はまずまずで(腹腔鏡手術のすごさを感じた)

8月26日、入院して約一ヶ月
術後20日足らずでいったん退院できました

2017年9月から 抗がん剤点滴治療を開始

点滴

翌9月から抗がん剤治療に入りました。点滴治療を3日間受けて退院、1週間あけてまた入院をするという流れです

  • 9月6日~8日
  • 9月20日~23日(※4日間も試してみた)
  • 10月4日~6日
  • 10月18日~20日
  • 11月1日~3日

入院当日は元気ですが、2日目から吐き気などで食事が全く取れなくなり、退院の3日目も副作用がひどい状態…なので帰宅後しばらくは寝てることが多い

そして徐々に良くなり体調が戻ったころ、また入院。この繰り返しでした

ただ最初は「抗がん剤って、打ったらどうなっちゃうんだろう」という不安がいっぱいでしたが、
母の頑張りももちろんあったのですが、このまま続けていけるのかも、と

退院してすぐに買ったすっぽりとかぶれる帽子も全く必要ないほど、多少は抜けるものの髪も普通

うまく治療が行けば、と願うばかりでした

その頑張りに朗報が…

何回目か抗がん剤治療の際に、とても効果が出ていて肝臓の転移がんを小さくして取り除きたいとの説明がありました

母曰く「先生はわたしを治すつもりだわ」と
いや、当たり前でしょ

2017年年末以降 抗がん剤治療が足踏み

しかし、その矢先、白血球の数値が下がっているとの事で治療を1週間おきから2週間おきに間隔をあけることになりました

  • 11月22日~24日
  • 12月13日~15日

2018年になりお正月をはさみ

  • 1月10日~12日

そして1月31日入院予定が、またまた白血球の数値が低すぎるという事で入院延期。4週間おいて

  • 2月14日~16日

そして3月7日入院予定が、またまた延期

白血球の値が戻りにくいようで、いよいよ「肝臓がんを取り除く手術をしましょう」と言われました

もう少しがんを小さくして取り除きたかったらしいのですが、抗がん剤治療は期間が開いてしまっては効果が薄く手術に踏み切ろうとの事

体力を戻すために半月足らずの間は普通に過ごしていました

思えばこの時が一番元気だったような気がします(まだ生きてますよ、念のため)
全然普通で、がんと言われたのが嘘みたい

この時、抗がん剤はつくづく劇薬だと思いました

がんを治してくれるけど、通常の健康まで損なうもの…

2018年4月 転移肝臓がん摘出手術

大山公園の桜

最初が直腸がんだったため主治医は肛門科の先生でしたが、肝臓の手術なので内科の先生にいったんバトンタッチです

3月31日に入院して、4月3日が手術

あちこちに散らばっているがんを取り除くため、どのように切りとるのかの説明を丁寧にしていただきました

さすがに今回は開腹手術です
目視でしっかり取り除いて頂かねば、です

朝9時に始まり、今度は予想より早く14時ごろには終了、また取り除いたがんを見せてくれました

細かく切り刻まれて、たくさんケースの中に並べてありました

「これが抗がん剤で死んだがんです」
と言って指していたのは、まさしく焼いたレバーそのもの…でした

2、3日はグッタリとしていました。かなり大きく腹かっさばいたので当然といえば当然

しかし数日経過後、少しずつ元気を取り戻し、あれよあれよ言う間に元気になり、本人の強い希望もあって予想よりも早い4月19日に退院しました

あんなに切ったのに
手術から16日で帰宅!予想以上の回復!

これで全てのがんが取り除かれたので、あとは再発に気をつけていけば良いんだ!
やっと、ひと山越えた!と思っていました

この時は

2018年6月 再度の衝撃、再び抗がん剤治療

でも、次の検査の後で告げられたのは

「小さいがんが、まだ少しだけ残っていた」「再度、治療を始める」とのこと

ちょっとショックでした

かなり散らばっていたので可能性としては仕方ないのですが…

またはじまるのか‥‥

「もうこの歳だし、そんなに長く生きようとか望んでないから、もういいです!」
との母の申し出に先生は

「根治する可能性がある患者に、もう治療をやめましょうとは言えない」

 

再び治療を始める事になりました

「先生は根治って言った」と何度も母は繰り返しました

まあ、医者だからね

 

根治とは『病気が根本から完全に治ること』

 

薬を変えようという事で、点滴でなく飲むタイプのものになりました

しかし、この抗がん剤がキツかった!

飲んで2日目から、下痢、嘔吐などなどがキツくて、家にいてもずっと寝たきりで何も食べられない状態。何だろう、息をしているだけ。それでいいのか?我慢すればいいのか?という疑問がわいてくる

直ちに先生に電話して、一旦飲むのをやめて週末に病院の予約を取りました

飲むのをやめて翌日、その翌日とほんの少しだけど戻ってくる体調

…もう、毒だなぁと、毒を持って毒を制しているのだと

2018年10月 治療をやめるという選択をした

空にのびる竹林

抗がん剤治療は、人によって効き目・副作用も異なるそうです

今回、ノーベル生理学賞を受賞された事で注目が集まったオプジーボもテレビでやってましたが、効いた人効かなかった人があるようで、その副作用も異なるよう

先生の強い薦めもあって8月にもう一度だけ、点滴による抗がん剤治療をしました

でも、そのあと

「もう治療をやめたい」

母から相談されました

 

母ががんになりネットや周りから様々な情報を集めて、いろいろな治療法も調べました

またセカンドオピニオンを考える選択もあると思いますが、母の場合はあちこち行くぐらいなら治療自体をしたくないタイプ

その時に、抗がん剤をしない選択、また治療をやめる選択がある事もわかっていました

「うん、もう、やめようか」

答えは早かったです

でも一番の理由は、この一年程の入退院を繰り返す闘病生活で、もともと悪かった足がさらに悪くなってしまった事

再度の抗がん剤治療が始まる6月始めに一緒に日帰りで旅行に出かけたのですが、驚くぐらい歩けなくなっていました

このままじゃあ、がんよりも違うところが悪くなるかも…

また髪を染めるのをやめたので、見た目が一気に10歳以上は老け込んでしまいました…見た目を気にする気力もわかないのです

いくら長生きできるからといって、ツラく苦しく寝ている日々と

短い人生だとしても、元気で過ごす日々と

どちらを取るのか?

正解はないと思います

 

抗がん剤の効き目が人それぞれなように
生き方も人それぞれだから

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病気のこと
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