我が家で長年飼っていた猫・ミュウが、先日旅立っていきました
歩く後ろ姿を見ては、いつも「チーターに、そっくり…」と思っていた、撫でられるのが大嫌いな野生児
※何かを狙い定める野生あふれる猫・ミュウ(少し若いとき)
原因は乳腺腫瘍(乳ガン)でした
発見した時は手遅れで14歳と言う年齢もあり、手術をしても完全に取りきれないので経過観察にしましょうと言われました
突然悪くなる可能性があるので、覚悟はしておいてくださいとも言われていました
が、思ったよりも何倍も何倍も早く
その日はやってきてしまいました
いつもと変わらなかった?のに
※猛暑だった2018年夏
ミュウは子供たちが拾って来た子で、わたしは元来、犬派
愛猫家には申し訳ないですが、わたしにとっては可愛い猫ちゃんでなく、ただの同居人と思ってきました
亡くなる前の日、仕事から帰宅をして玄関で靴を脱いでいると、いつもどおりミュウが2階から顔を覗かせました。二世帯住宅の二階リビングが彼女の根城です
いつもは下まで降りて来てくれるのですが、上から3段目でじっとしていました
「サービス、悪いなぁ~」と思いながらリビングにあがったのを覚えています。もう体調が少し悪かったのかもしれません
でも普段と変わらず、わたしが食事を終わって立ち上がると”缶詰食べたい”という顔をして自分の食器の前に座りました
缶詰を入れてあげましたが一向に食べません
あれ?と思ってお皿を顔の近くまで持っていって匂いを嗅がせると食べ始めました。もうここ何年も目が悪くなっていたので気に止めませんでした
いつも通りおいしそうに食べていました
※暑い時は玄関が一番!
そのあと、洗い物をしていると足元にミュウがうずくまりました。食べ物をねだる以外で足元に来るのはとても珍しいことです
どうしたのかな?と思って体を撫でてあげると喉がゴロゴロなってました
今考えると、こんな交流はあまりなかったなぁと…
その時は、突然に
※ピアノの上がお気に入りでした
そのあと、テレビを見ながらくつろいでいるとミュウの様子がおかしい
今まで見たことない表情と、お気に入りのクッションに座ろうとするのですが登りきれません。後ろ足が登り切れずに、座り込んでしまいました
ほんとうに突然ですが
その時が来たのだとわかりました
夜の12時過ぎ
病院でも言われていたので、このまま家で静かに看取るしかありません
猫は自分の最後を人に見られたくないのか?
よく猫は死が近づくと”弱った体を休ませるため、外敵から身を守るために、暗く落ち着ける場所に身をひそめる”といいますよね
リビングで添い寝をしようかとも思いましたが、ずっと野生児と思って接してきたので
「この子は最期を見られたくないんじゃないだろうか?」
「横たわって息も絶え絶えになっている姿を、さらしたくないんじゃないだろうか?」
と思いました
どうすればはいいのかわからずにスマホでいろいろ調べてみました、でも答えはわかりません
さんざん迷ったあげく、クッションに半分身体を載せたまま、お気に入りの毛布をかけてリビングの電気をそっと消しました
そして廊下の奥の自分の寝室に行きました
横になっても
やっぱり一緒にいるべきか?
一人で逝かせてあげるべきなのか?
ずっとずっと悩みました
どれぐらい時間が経ったのか…
ガサガサという物音がベッドの下でしました
ミュウでした!
歩いてきたのです!
彼女はひとりは嫌だったようで(たぶん)思わず抱き上げてベッドに寝かせました
猫が最期を誰にも見られたくないと言うのは決して嘘ではないと思います。でも突然の体調の変化に戸惑い、不安で心細いと思う…そんな子には、そばにいてあげてもいいようです
一緒に横になりました
ペットの死に目に立ち会うのか?
※猫は寝てる時が一番かわいいと思う、爆睡中のお気に入り3ショット!
朝、目が覚めた瞬間「もう死んでいる?」と思ったのですが、ほんの微かに息をしていました
“ペットの死で会社を休む”という行為をめぐっては、ときどき議論が巻き起こっています
休む人を責める気持ちはみじんもありませんが、わたしの考えは”仕事に行く”でしたので、普段通り仕事に行きました。母も息子もいたので一人っきりではないし最期の瞬間を見たくなかったこともあります
出かける時、いつも通り「行ってくるね」と声をかけると耳をピクッと動かし、目と目はあったように思います(目が悪かったから、見えはいなかったと思いますが)
それが最期となりました
元来丈夫だった彼女は、頑張って夕方まで息をしていたそうです。定時ダッシュで帰宅した時は旅立ったあとでしたが、身体に温もりは残っていました
翌日すぐに猫用ベッド、お気に入りの毛布、食器などなどを淡々と整理しました
※お気に入りの一枚。手前のセキセイインコ・ピュアちゃんも天に召されています
何だかぽっかりと穴が開いたみたいです
その存在の大きさに少し驚いています
飼い猫が先日、旅立ちました
子供たちが拾ってきた猫で、猫可愛がりしてるつもりもなく普通に飼ってたつもりだったのになんだろう、この喪失感
ここ何年も帰宅時に玄関まで出迎えてくれるのはキミだった
時が経つほど淋しさが増してくる
— ao-maguro (@MaguroAo) 2019年3月12日
最期の最期の瞬間にも、一緒にいるべきだったのか?
少しそんな風にも思い始めましたが…
それは、わかりません
でも猫が全部が全部
”一人っきりで最期を迎えたいと思っているわけではないんだ”
とは感じました
穏やかに寝てるようにしか見えなかったのが、最後の贈り物でした
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